【簿記検定】日商簿記検定148回(2018年2月)を振り返る

前回の日商簿記検定148回(2018年2月)を振り返ってみます。

3級の合格率は48.9%、2級は29.6%、でした。
3級の合格率は概ね40%前後、2級は30%前後を目指しているように思いますが、最近は合格率の波が激しいです。
試験委員が入れ替わったことが影響しているのでは、と囁かれているようですが・・・。

3級は2015年11月の141回に26.1%、翌2016年2月の142回に26.6%、という暗黒時代を経て、143回は34.2%、144回は45.1%と40%以上を回復。その後は146回に50.9%に達するなど、安定して合格者を増やしてきています。

しかしながら、気の毒なのは2015年から勉強した141回と142回の受験者である。
大学や専門学校の学生は4月に入学してから簿記の勉強を始める方が多い。
簿記の勉強は概ね50時間~100時間。学校の授業だけで勉強するなら普通に3か月以上は必要となるだろう。
だから6月の検定は受けないで、最初は11月から受けることにする。

その最初の11月の第141回検定が恐ろしく難しかった、ということになる。
だが、そこではめげなかった。まあ26%なんていうのは5年ぶりだから、などと講師に言われて学生も自分自身をなだめる。
講師自身も冷や汗をかきながら合格者を出せなかったことを残念に思う。

そして、次こそはと迎えた翌年の2月。
ある人はクリスマスも、年末も正月も勉強しただろう。
ああ、それなのに。
第142回も26%・・・。

2回も連続で26%が続いた。
勿論、合格した人もいるが、多くは不合格。
そうなると学生は・・・。

つづく。

【簿記】簿記とはお金の流れを知ること

こんにちは。
社会人を長くやっていると3月から4月にかけては通常の月またぎの印象ですが、新社会人や新入生などにとっては生活が一変する時期だと思います。
資格試験業界にいると申込が多くなる時期は「年明け」と「年度末明け」です。
やはり心機一転ということなんしょうか。
そんな気持ちを新たにされている皆さんにぜひ「簿記」をおすすめしたい。
経理の仕事をしている(する)人のためのものと思っている方が多いかと思いますが、決してそうではありません。
講座のガイダンスでもお話しさせていただいていますが、簿記は会社の営業や経営状況を記録していくためのルールとなりますが、それは「お金の流れを知ること」に繋がっていきます。
お金をもらう、お金を使う。そういったお金の流れの中に皆さん身を置き、日々生活していると思います。ですので、まずは「お金の流れを知ること」という視点から簿記に興味をもっていただけるとうれしいです。
私は簿記を学習して長いせいか、買い物にいけばそのものの原価が気になってしまいますし、TVなどで企業が紹介されれば、どのような経営状態なんだろうと色々と考えてしまいます。これはしっかり、学習した影響だと思っています。
理屈っぽい人なのかもしれませんが、そういった視点から入ると、世の中のあらゆる流れや物がとても奥深く・おもしろいものに見えてきます。そのような視点を持てただけでもよかったのかと感じています。
簿記検定講座<3級担当>講師 広瀬 和恵

【簿記】「簿記4級」が「初級」になりました

皆さんこんにちは。1月末にて2月検定の申込が締め切られましたので、申し込まれた人は検定までのラストスパート。そして6月検定を目指す方は学習を開始しているころだと思います。今回は、日商簿記検定のお話しをさせていただこうかと思います。

毎年、6月検定から新しい年度、改定後となります。それぞれの級での変化がありますが、日商簿記検定4級が「初級」となるのはご存知ですか?

エル・エーをはじめとする資格取得講座においては、初学の方も3級からというのが大半ですが、級を取得するというよりも基礎知識を短時間で習得したいという方向けのような気がします。また、初級においてはネット試験方式となり、時間も40分となりますので、気軽に受験することができます。

これを機会にまずは簿記にふれていただき、興味をもっていただき、3級、2級とステップアップ学習につながっていければより良いと思います。詳細は、日本商工会議所ホームページで確認できます。

簿記検定講座<商業簿記担当>講師 広瀬 和恵

【簿記】電卓の使い方

みなさん、こんにちは。簿記検定講座 商業簿記・会計学担当 福井です。
今日は電卓の使い方についてです。昔、私は受験時代、ある迷いにとらわれたことがあります。「電卓は右手でたたいた方がいいのかな?左手でたたいた方がいいのかな?」つまりこういうことです。
右手(私は右利きなので、利き手です)でたたけば電卓ミスは減りますが、うち終わった都度ペンに持ち変える必要があり、タイムロスが生じます。対して左手でたたけば利き手でないため電卓ミスが増えますが、ペンは常に持ち続けられるためタイムロスは生じません。

ただ、私が出した結論は、「どっちでもいい」でした。

右でも左でも、ミスなく電卓がたたければいい。打ち間違いがなければ、ペンに持ち変えるタイムロスなど、気になりません。つまりは、「すべては自分次第」ということです。
右手で電卓をたたいても、左手で電卓をたたいても、その精度はその人が今までどの程度電卓をたたいてきたか、どのように間違わないように訓練してきたかによります。やり方ではないんですね。何をやったか、つまり今まで自分がやってきたことの積み重ねなんですね。

みなさんも、受験勉強をしていれば、「あれ、こうしたほうがいいのかな?」という迷いが生じると思います。
合格したい気持ちが強ければ当然だと思います。ただ、そこで迷っていては、前に進めません。「やり方」ではなく「自分が何を積み重ねるのか」を意識して、知識を積み上げていってもらいたいと思っています。

【簿記】外貨建取引の背景

海外、特にアメリカに目を向けると、卸売りという機能が非常に弱いと言われています。もちろん、世界中に卸売業=商社はありますが、日本には総合商社と呼ばれる巨大企業が存在していて、商社という業態だけでみたら世界の上位をほとんど占めてしまうというくらい巨大。そういった意味で、商社は日本ならではといえます。

そもそも、何で卸売業があるのでしょうか?

なぜなら、小売業にとっては10個とか100個くらい欲しいのですが、いちいちメーカーから注文を取るのが面倒です。また、メーカーにとっても10個とか100個とかの小さなロットで売りたくないのです。

やはり、卸売業が1000個くらい買って、それを小売りに売りさばく方が商品は綺麗に流れます。

つまり、卸売業を介することで市場全体の取引回数が減るというメリットがあるのです。

これをマーガレット・ホールという経営学者は「取引数量最小化の原理」と呼び、卸売業の必要性を主張したわけです。

日本の場合は歴史が長いので製造したら卸売りに売る。そして、卸売りは小売りに売る、という流れは今も健在です。

簿記検定講座<工業簿記、原価計算>講師 岸田 勝
エルエーの簿記通信講座

【簿記】総合商社は日本ならではのもの

皆さんこんにちは。簿記検定2級講義 商業簿記講師の福井です。

今回は、決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表の違いについて取り上げたいと思います。何を隠そう、私はこの論点でかなり躓きました。
もしかすると、みなさんの中にも躓いている(もしくは、なんとなく見逃しているが実は躓いている)方がいるのではなかろうかと思います。

さて、本題ですが総合問題は、基本決算整理前残高試算表が与えられ、決算整理後残高試算表を作る、という問題ですね。ここで大切になるのは、決算整理前残高試算表と、決算整理後残高試算表の意味合いです。

簡単にいうと、決算整理前残高試算表は、前期繰越貸借対照表に、期中の仕訳を加えたものですね。
決算整理後残高試算表は、決算整理前残高試算表に、決算整理仕訳を加えたものですね。

では、何が変わるのでしょう。

例えば、「仕入」勘定。
これは、決算整理前残高試算表では「当期商品仕入高」を示しますが、決算整理後残高試算表においては「売上原価」を意味しますね。この「仕入」勘定の意味合いを理解できていないと、原価率の分析なども行えません。※三分法を前提にお話をしています。

また、「繰越利益剰余金」勘定。
これは、決算整理前残高試算表では前期繰越の繰越利益剰余金ですが、決算整理後残高試算表では決算整理前残高試算表の繰越利益剰余金に当期純利益を加えたものを意味します。
つまり、総合問題で決算整理後残高試算表の繰越利益剰余金を解答するのは相当難易度が高いですが、決算整理前残高試算表の繰越利益剰余金勘定を解答するのは難しくありません。※配当等がない場合を前提にお話をしています。

このように、総合問題においては、文章に表れていなくても、読み取れる情報があります。
その情報を正確に読み取るためには、決算整理前残高試算表と決算整理後残高試算表の違いなどを含めて、理解していく必要があります。

そのためには、日々の学習を大切にしてください。間違えた問題があれば、なぜ間違えたかを確認してください。その答えが、みなさんの簿記に対する理解を高め、その結果、合格に導いてくれるはずです。

頑張ってくださいね!

簿記検定講座<商業簿記/会計学担当>講師 福井 一弘

エルエーの簿記通信講座