社会保険労務士試験

試験概要


合格率は10%、専門性の高い出題の国家試験

社会保険労務士は、その業務の安定性から、難易度が高い割には受験者数が多い資格です。ただし、受験資格があるので、勉強を始める前にまずは自分に受験資格があるかどうかの確認をすることが必須です。
試験問題自体は、広く浅く知識を問われる問題が多いといえます。ただし、毎年最新の情報も出題されているので、その点には注意を払う必要があります。さらに、全体の合格基準点のみならず、各科目で基準点が設けられていますので、科目の穴があっては合格できません。多くの資格試験同様、満点を狙うのは得策ではなく、合格基準点を目指しましょう。

受験資格

以下のいずれかの要件を満たすことが必要です。

  • 学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学、短期大学、高等専門学校(中学校卒業を入学要件とする修業年限が5年制の学校)を卒業した者
  • 上記の大学(短期大学を除く。)において62単位以上を修得した者
  • 修業年限が2年以上で、かつ、課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者
  • 国又は地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間及び特定独立行政法人、特定地方独立行政法人又は日本郵政公社の役員又は職員として行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
  • 社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の業務の補助に従事した期間が通算して3年以上になる者
  • 行政書士となる資格を有する者

※上記の他にも受験資格はございます。詳細は全国社会保険労務士会連合会 試験センターへお問い合わせください。

試験日程 例年8月第4日曜日
試験形式 全60問、択一式および記述式(全300点)
願書配布時期  例年4月に全国社会保険労務士会連合会試験センターから発表されます。
受験料 7,000円
合格発表 例年11月中旬
試験内容 選択式問題・・・全8問(全40点)/解答時間:80分
選択式問題は各問とも文章中に5つの空欄があり、20個の選択肢の中から正解の肢を選択する問題となっています。1つの空欄につき、1点の配点。
択一式問題・・・全70問(全70点)/解答時間:210分
択一式問題は五肢択一式となっています。1問につき1点の配点。

試験形式

  • 選択式問題・・・全8問(全40点)/解答時間:80分
    選択式問題は各問とも文章中に...

社会保険労務士の資格と仕事

社会保険労務士とは・・・


社会保険労務士とは、企業経営における4大要素「人・物・金・情報」のうち、最も重要と言える「人」に関する専門家です。具体的には、企業における人事・労務等の管理に関するコンサルティング、労働・社会保険に関する諸法令に基づいた書類の作成や、手続代行などを行います。つまり、会社(使用者)、労働者双方にとって、頼れるエキスパート、それが社会保険労務士なのです。

社会保険労務士のビジネスフィールド


社会保険労務士には、「独立」「企業内社労士」、また新しい形態として「社労士法人」など、その仕事のやり方には様々な選択肢があります。仕事の内容自体も、人事・労務に関する書類作成や手続代行といった従来の業務から、昨今多様化している雇用形態や経済情勢の複雑化などに伴いコンサルティング業務の幅も広がってきています。さらに、「特定社会保険労務士」※として労働関係紛争の紛争解決手続を代理することもできるようになり、社会保険労務士のビジネスフィールドはますます拡大しています。

※「特定社会保険労務士」となるためには「紛争解決手続代理試験」に合格する必要があります。
●1号業務
独占業務 1.労働社会保険諸法令に基づいて行政機関に提出する申請書類の作成
2.申請に関する各種手続の代行
3.事務代理(行政機関に対して依頼人の主張や説明を代理すること)
4.紛争解決手続代理業務(特定社会保険労務士のみ可能)
●2号業務
独占業務 労働社会保険諸法令に基づいて行う帳簿書類等の作成(就業規則・労働者名簿・賃金台帳等)
●3号業務 人事・労務に関する各種コンサルティング業務

社会保険労務士の年収ってどのくらい?


社会保険労務士の年収は、500万円~800万円程度がボリュームゾーンです。平均年収は700万円弱程度のようです。
社会保険労務士は企業内勤務の有資格者も多く、総務や人事で採用されるのに有利です。企業内社労士との比較であれば、開業社労士のほうが平均年収は高くなるようですが、安定収入を目指すのであれば企業内勤務は魅力的と言えます。その点で、社会保険労務士は他の法律資格よりもメリットは大きいでしょう。
もちろん、自身で社労士法人を立ち上げて、成功すれば億単位の収入も目指せます。安定的から大きな収入まで、働き方が幅広く選択できる資格と言えます。