平成30年度行政書士試験の合格者発表が行政書士研究センターより実施されました
行政書士 試験概要、合格率、難易度、学習期間
試験概要
5万人以上が受験する、合格率10%未満の国家試験
行政書士試験は、法律系国家試験の入門的試験として位置づけられていますが、最近3年間の受験データを見れば、合格率は5.4%。実に100人中95人が不合格になるという極めて厳しい試験です。各科目の出題難易度も徐々に上がっており、試験の難化が進んでいます。
受験資格 | 特にありません(年齢・性別・学歴等に関わらず、誰でも受験できます)。 |
試験日程 | 11月第2日曜日 |
試験形式 | 全60問、択一式および記述式(全300点) |
願書配布時期 | 例年7月に(財)行政書士試験研究センターから発表されます。 |
受験料 | 7,000円 |
合格発表 | 翌1月第5週 |
試験内容
<行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題/244点)>
憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。)民法、商法及び基礎法学の中からそれぞれ出題します。
<行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題/56点)>
政治・経済・社会、情報通信
試験の方法 試験は、筆記試験によって行います。
出題の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式、
「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式とします。
※ 記述式は、40字程度で記述するものを出題します。
配点
(全300点満点) <法令科目>
●五肢択一式:1問につき4点、全40問・・・計160点
●多肢選択式:1問につき8点(空欄1つ2点)、全3問・・・計24点
●記述式問題:1問につき20点、全3問・・・計60点
<業務に関する一般知識>
●五肢択一式:1問につき4点、全14問・・・計56点
合格基準 次の要件のいずれも満たした者を合格とします。
① 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上である者。
② 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上である者。
③ 試験全体の得点が、180点以上である者。
(注)合格基準については、問題の難易度を評価し、補正的措置を加えることもあります。
詳しくは、『財団法人 行政書士試験研究センター』までお問い合わせください。
財団法人行政書士試験研究センター 0332637700(試験専用)03 (3263) 7700
http://gyosei-shiken.or.jp/http://gyosei-shiken.or.jp/
東京都千代田区一番町25番地 全国町村議員会館3階
受験状況、合格率推移
行政書士の合格率は?難易度や学習期間はどれくらい?
以前は...
行政書士の資格と仕事
行政書士とは・・・
行政書士は、「街の法律家」として、私たち一般市民の法律関連事案の解決に従事することを生業とした国家資格です。以前は代書屋さん(書類作成代行)としての業務がほとんどでしたが、現在ではそれに加えて、法律問題コンサルタントとしての地位を確立しつつあります。これは、法律紛争がますます私たち一般市民の生活の中でも起こりやすくなり、その自己防衛手段としての法律武装が必要となってきたためです。その相談役として、広い法律知識に長けた行政書士は特に適切ということです。このように行政書士の役目、ニーズは今後も変遷しつつ、拡大していくことでしょう。
行政書士の仕事
行政書士の仕事は、「書士」という名からも明らかなように、書類作成を基礎として、それに付随する提出代理やコンサルティングなどを包括的に行います。また、昨今では民間同士の契約に代理人として参加できるようにもなるなど、「書士」の範疇以上ともいえるような業務も許されるようになっています。特にADR(裁判外紛争処理制度)への参加を期待されてもおり、その存在感はますます高まりつつあります。
- 書類作成代行への記名・押印
官公署に提出する書類(建設業許可、風俗営業許可、会社設立許可、帰化申請、農地転用許可等)や、権利義務に関する書類(売買契約書、遺言書、遺産分割協議書、示談書、会社の定款等)など、法律知識の下地がなければ作成できない書類の作成代行によって報酬を受けることが行政書士には許されています。 - 書類提出代理
行政書士が作成することのできる書類について、官公署への書類提出を、クライアントに代わって代行します。 - コンサルティング業務
現在、行政書士の業務は、書類作成、提出までを含めた包括的なコンサルティング業務へと移行しつつあります。法律知識をベースとして、経営や契約といった様々なクライアントの問題に、コンサルティングという形で解決にあたります。 - 契約代理
平成14年度より、民間対民間の契約について、行政書士が代理人として業務を行うことができるようになりました。スポーツ選手の契約時などに耳にする代理人とは、この業務を指します。
行政書士の年収ってどのくらい?
行政書士の年収は、士業であるためやはりバラつきがあります。一般的には平均年収として600万円程度と言われています。
年収1000万円(売上ベース)の行政書士は、行政書士全体の13%程度のようです。給与所得者の年収1000万円以上割合が4%程度ということを考えると、努力した分年収1000万円に近いと言えるかもしれません。
また、年収2000万円以上もおよそ4%。中には年収1億円を超える行政書士もいらっしゃるようですので、実力次第でとても夢のある仕事と言えるでしょう。