宅地建物取引士の資格と仕事

宅建士(宅地建物取引士)とは


宅地建物取引士(以下、宅建士)は、不動産の取引を行う際に、取引を円滑に進める役割を担う、国家資格です。特に『重要事項の説明』『重要事項説明書面への記名・押印』『37条書面(契約書)への記名・押印』といった独占業務<=宅建士の資格を持っていなければできない業務>を持つことから、毎年15万人以上の受験者があり、就職・転職にもたいへん役に立つ資格と言えます。また、不動産取引業においては、事業所毎に、従業員5人につき1人の割合で宅建士を置かなければならないと法律で決まっており、不動産業への就・転職を目指す場合には必須の資格となっています。

宅地建物取引士の仕事


不動産の取引はその金額が高額で、かつ内容が複雑なため、当事者同士のみだとトラブルが起こりやすくなります。宅建士は、その物件についての条件等を把握し、その内容を記載した書面を当事者に交付して説明し、最終的に契約書へ記名・押印して、その取引を見守ることを業務とします。

重要事項説明書への
記名・押印
重要事項説明書は、不動産取引の際に宅建主任者が取引当事者に対して交付しなければならない書面です。この書面には、該当不動産の状況及びその取引に関する取り決めが記載されており、当事者が最終的にその不動産取引の契約を締結するかどうかの判断材料とする、重要な書面です。
重要事項の説明 上記の重要事項説明書に沿って、宅建主任者は当事者に対して説明を行います。不動産の状況や売買代金等に関する内容、契約解除に関する事項など、その内容は多岐にわたります。
37条書面(契約書)への
記名・押印
最終的に、契約締結の際に契約書への記名・押印を行います。

宅建士の年収ってどのくらい?


宅地建物取引士での年収データというものは無いため、大まかな予想年収とはなりますが、不動産会社の募集要項から類推すると、300万~500万円程度、プラス宅建資格手当のようなものが付加される場合が多いようです。
宅地建物取引士自体は、重要事項説明や契約書への署名押印などの独占業務があるため、不動産会社には欠かせない人材です。資格を有していれば間違いなく就職に有利ですが、それだけで一攫千金というタイプの資格ではないかもしれません。
しかし、自分で会社を開業するということであれば話は別です。動く金額の単位も大きいので、成功すれば十分に大きな収入を得ることができます。堅実且つ夢もある資格と言えます。

 

宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士の資格と仕事

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宅地建物取引士 試験概要、合格率、難易度、学習期間

試験概要


毎年15万人以上が受験する、巨大資格。宅建士試験は、国家試験の中でも最大規模の受験者数を誇る試験で、毎年15万人以上もの受験生が合格を争います。合格率は例年15%前後と、国家試験の中では極めて難関というわけではありませんが、やはり不合格者が全体の85%にも達する試験ですので、独学だけでは合格は困難と言えるでしょう。

受験資格 特にありません(年齢・性別・学歴等に関わらず、誰でも受験できます)。
試験日程 例年、10月第三日曜日
試験形式 四肢択一、全50問(マークシート形式)
<登録講習終了者は45問>
願書配布時期 例年6月に(財)不動産適正推進機構から発表されます。
受験料 7,000円
合格発表 例年11月下旬~12月上旬
試験内容 試験の内容は、おおむね次のとおりです。

  1. 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
  2. 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
  3. 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
  4. 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
  5. 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
  6. 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
  7. 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
詳しくは、『財団法人 不動産適正取引推進機構』までお問い合わせください。
財団法人 不動産適正取引推進機構

〒 105-0001
東京都港区虎ノ門3丁目8番21号第33森ビル3階
03-3435-8181
http://www.retio.or.jp/

合格率、難易度、学習期間


宅建士は受験申込者数が20万人を超える巨大資格です。近年、各種国家資格試験の受験生数が減少するものも多い中、宅建士試験は安定して人気があります。
合格率は15%程度。超難関資格ではありませんが、8割方不合格になると考えると十分に難関資格の部類に入ります。「宅建は独学で良い」と言った意見がインターネット等の情報でも散見されますが、専門性の高い出題もされるので、本気で短期合格を狙うのであれば、独学で学習するのは非効率と言えます。
以前は法律系資格試験の中では行政書士と共に入門的な扱いがされてきま...