こんにちは。宅建講師の山口朝重です。今日は、「法令上の制限」という分野の学習のイロハのイについてご説明します。
「法令上の制限」の分野には、様々な法律や制度が登場します。細かな内容は、もちろん重要なのですが、一番大事なのは、「趣旨・目的」を知ることです。
それぞれの法令・制度の「趣旨・目的」を理解すると、「その法令は、何を規制(保護)するために存在するのか?」「なぜ、その制度があるのか?」ということが分かってきます。
そうすると、細かな規定について、「なぜ、そうなっているのか?」ということが、自然と理解できます。
法律の趣旨や目的は、「第1条」あたりに書かれていることが多いので、ぜひ、様々な法律の第1条を実際に確認するようにしてください。
【都市計画法】
第1条 (目的) この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
第2条(都市計画の基本理念) 都市計画は、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと、並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。
【建築基準法】
第1条(目的) この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
【国土利用計画法】
第1条(目的) この法律は、国土利用計画の策定に関し必要な事項について定めるとともに、土地利用基本計画の作成、土地取引の規制に関する措置、その他土地利用を調整するための措置を講ずることにより、国土形成計画法による措置と相まって、総合的かつ計画的な国土の利用を図ることを目的とする。
第2条(基本理念) 国土の利用は、国土が現在及び将来における国民のための限られた資源であるとともに、生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤であることにかんがみ、公共の福祉を優先させ、自然環境の保全を図りつつ、地域の自然的、社会的、経済的及び文化的条件に配意して、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図ることを基本理念として行うものとする。
【農地法】
第1条(目的) この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。
【土地区画整理法】
第1条(この法律の目的) この法律は、土地区画整理事業に関し、その施行者、施行方法、費用の負担等必要な事項を規定することにより、健全な市街地の造成を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
【宅地造成等規制法】
第1条(目的) この法律は、宅地造成に伴う崖崩れ又は土砂の流出による災害の防止のため必要な規制を行うことにより、国民の生命及び財産の保護を図り、もって公共の福祉に寄与することを目的とする。